今までメダカや金魚を飼ったことがなくて、子供が夏祭りに行って、金魚をとって帰ってきたら、どうしたらいいのか困っちゃいますよね。
金魚は生き物ですので、粗末に扱って亡くなるととても可哀そうなことになってしまいます。
そうならないためにも、お祭りで金魚をとって帰ってきたら、まず何をすると良いのでしょう?
そして、金魚を飼うのに必要なものとは?水槽とポンプだけでいいの?水槽の大きさって?どんなポンプが良いの?など、分からないことばかりです。
金魚を飼うにあたって気を付けることもたくさんありますので、一つ一つ確認していきましょう。
目次
金魚すくいでとってきた金魚にまずすることとは?
金魚すくいでとってきた金魚は、さんざん追いかけまわされて、ストレスに晒されてきたため、弱っている可能性が高いです。
そのため、まずは金魚を『塩浴(トリートメント)』して様子を見ましょう。
期間は1週間ほどです。
『塩浴(トリートメント)』の目的について
金魚は淡水で暮らしているため、塩水に入れても大丈夫なの?と心配になりますが・・・
実は・・・
0.3~0.5%の塩水は、人間のポカリスエットのように、金魚の体液に近く、魚がリラックスできるとされています。そのため、金魚すくいでストレスに晒された金魚の体調を整えるのに『塩浴』はとても効果的です。
また、1匹の金魚が病気を持っていると、いっきに他の金魚に移ってしまうかもしれません。そうならないためにも、カビや寄生虫、細菌などの病気を殺菌する目的で『塩浴』を行います。
このように『塩浴』の目的は、金魚の体調を整えるのと、病気を他の金魚へ移さないためであり、金魚にとってとても大切なことですので、必ず行うのがおススメです。
『塩浴』の方法とは?
①まず、普通の食塩(例えば、料理できゅうりをゴリゴリするときに使う塩)を使って食塩水を作ります。
食塩水の濃度は、まず0.3%~始めるのが良いでしょう。
食塩の入れる量は、カルキ抜きした水1リットルあたり、食塩3gになります。もし入れる量が分からない場合は、下記のような便利な”塩タブレット”や、”計量スプーン付き 金魚用 塩”があります。
また、「塩浴時の塩の量の計算」のサイトでも塩の量を計算してくれます。
②バケツに①の食塩水を入れ、金魚が入っている袋を食塩水に浮かべて、20~30分間放置します。バケツの食塩水と、金魚が入っている水の水温が同じぐらいになったら、金魚を食塩水へ入れます。
可能でしたら、金魚をとってきた日にここまで行ってあげると良いと思います。
もしブクブクがありましたら、ブクブクをセットして、新聞紙などをかけ、薄暗くしてあげましょう。暗くしておくことで、金魚はあまり動かず、また周りの人間の動きにも敏感にならずストレスを最小限に抑えられます。
翌日からは・・・
③毎日、水を3割ぐらい交換して食塩を足していき、2日目か3日目には食塩の濃度が0.5%になるようにします。しばらく0.5%を保ちます。
④新しい水槽の準備が出来ましたら、金魚をバケツの水と一緒に水槽に移します。
実はこの時点では、濾過器はまだうまく働いていません。
濾過器が目に見える水の汚れではなく、汚くなった水をきれいにするようになるまでには、約1週間くらいはかかります。
濾過器の中に、魚の排泄物を分解してくれる、汚れをきれいにするバクテリアを繁殖させるのです。
早くバクテリアを繁殖したいときは、水槽飼育されている方やお店などで、飼育している生き水(約2カップ)をもらってきて入れると、早い段階で水が生きてきます。もしくは石巻貝を入れるのもおススメです。
よって、約1週間くらいは、毎日水を3割ぐらい交換しましょう。このときは塩を入れずに、徐々に水を入れ替えていくことで、水槽の中の塩分も減っていき、徐々に『塩浴』を終了していきます。
このようにして、1ヶ月生き延びれば一安心です。
あとは、1~2週間(長くても3週間)おきには水換えを行いましょう。
(下記に”砂利の洗い方”には注意して行いましょう!!)
<金魚を飼いはじめのときに注意すること!!>
・水の量は、なるべく多い方が良いでしょう。
水温が変化しにくく、水質が悪化しにくいからです。
・日のあたるところなど、水温が高くなるような場所におかないようにしましょう。(コケが生えないように)
・塩水は水中酸素が減りますので、1~2日目などで早めにブクブクを入れてあげてください。
もし金魚が水面近くで餌を食べているように口をパクパクさせていたら、酸素が足りない証拠です。応急措置としては、水換えですが、水換えだけでは必要な酸素は補えないので、注意してください。
・エサをすぐあげたくなりますが、2~3日は控えましょう。
理由は、環境が変わって金魚も落ち着いていないため、また水が汚れてしまいますので、
2~3日様子を見ながら、極力、少しづつあげるようにしましょう。
新しい環境になると、金魚は消化不良を起こしやすく、ベラ病にかかりやすくなってしまいます。
また、カルキ抜きした水にはバクテリアがいないため、少しの食べ残しでも、アンモニアが発生してしまい水質の悪化につながってしまいます。
金魚は、数日~1週間ほどは何も食べなくても大丈夫ですので、金魚の様子を見ながら、エサをあげるようにしましょう。
金魚を飼うのに必要なものとは?
最近では、”濾過器つきの水槽セット”が売ってますので、初めての方には便利でおススメです。
セットを選ぶとき、水槽の大きさや濾過器の種類によって値段が変わってきます。
水槽の大きさについて
金魚の数によって、水槽の大きさを検討しましょう。
金魚の数に対して水槽が小さすぎると、酸欠になったり病気になりやすくなってしまうため好ましくありませんが、水槽が大きい分には、快適な環境になりますので問題ありません。
金魚1匹が4~5cmのとき、水槽の大きさの目安は以下になります。
金魚(匹) | 水槽の幅(cm) | 水槽の水容量(リットル) |
1 | 20 | 約4 |
4~5 | 30~40 | 約12~25 |
6~8 | 45 | 約35 |
8~15 | 60 | 約60 |
濾過器の種類について
水槽の中に入れてブクブクと気泡が出る、中に石などが入っていてエアーの水流を使って汚物を吸い取る構造の濾過器は、定期的に掃除が必要です。こんなタイプのものです↓
一方、水槽の壁にかけて、モーターのついたポンプで水を汲み出し、フィルターで濾過したあと水槽に水を戻す循環型のフィルターの濾過器は、とても手入れが楽です。こんなタイプのものです↓
ただし、水槽の壁にかける外掛け式の濾過器は、化学濾過+物理濾過が主なので、生物濾過が弱くなってしまいます。
<濾過について>
・物理濾過:文字通り、水を濾す
・生物濾過:バクテリアに有害なアンモニアなどを分解してもらう
・化学濾過:活性炭などに、水道水の中の重金属などを吸着させる
大きく分けると、三種類あります。
金魚にとって快適な環境づくりには、できれば両方の濾過器を用いることが、最も効果的です。
砂利について
砂利や水草は、金魚が落ち着きますのであった方がいいでしょう。
砂利は、バクテリアの住み家とも言いますが、砂利があるために水槽の底床清掃がおろそかになってしまうのでしたら、無いほうがよっぽどいいです。(濾過器がしっかり機能していれば砂利に付くバクテリアなんて微々たるものですので)
そのため、かろうじて水槽の底が隠れる程度で、所々底が見えるぐらいの量でも全く問題はありません。
砂利の目安としては・・・
・水槽の大きさ=4~35リットルのとき、砂利は2~6kg
・水槽の大きさが60cm以上のとき、砂利は10~12kg
色や大きさはさまざま・・・
吸着、脱色、ろ過能力に優れた天然の麦飯石を砕いて砂利状にしたものも・・・
水草について
水草があると、金魚は隠れたりできて落ち着く環境になりますので、あった方が良いと思います。
おススメの水草は、日本にも生息するアナカリス(オオカナダモ)やカボンバ(金魚藻)などが育てやすいと思います。
カボンバ(金魚藻)・・・昔から金魚の飼育に用いられてきて、金魚にとってエサでもあり水の浄化をしてくれる水草です。
ただし、水草は塩分に強くはなく、食いちらされたり枯れたりするとよけいに水を汚してしまいます。そのため、食塩水の塩分が薄まってから、少しづつ入れてみるといいでしょう。
その他に必要なものについて
・金魚のエサ
・金魚すくい
・バケツ
・カルキ抜き
・スポイト(糞などを掃除するとき)
・ホース(水換えのとき↓)
金魚の砂利の洗い方について
1~2週間(長くても3週間)おきには水換えを行いましょう。
そのときに、砂利の掃除も行いますが、気を付けなければならないことがあります。
それは・・・
砂利を水道水で洗わないこと!!
理由は・・・
せっかく魚の排泄物を分解してくれる、汚れをきれいにするバクテリアを繁殖させたのに、
水道水で洗ってしまうと、カルキで根絶やしにしてしまうことになってしまいます。
バクテリアが繁殖するまでの、最初のこまめな水換えがパ~になりかねません・・・
ではどうやって洗うと良いのでしょう?
それは・・・
金魚をバケツなどに移した後、水槽をそのままかき回して、大きなゴミや糞などを浮かせ、飼育水と一緒に捨てます。
多少のゴミや糞は残ってしまうかもしれませんが、気分的な事を別にすれば特に害はありませんので。必ず、飼育水で洗うようにしましょう。
ただし、
もし金魚が病気になった場合は、水槽や砂利を水道水でしっかり洗って、環境をリセットしてください。バクテリアを維持する事よりも病原体を駆除するほうが大事ですから。
まとめ
金魚の飼い方について、参考になりましたでしょうか?
とつぜん金魚を飼うことになると、色々と分からないことがいっぱいあると思いますが・・・
最初の水槽の立ち上げや、水温管理など、快適な環境づくりに色々と気を付けてあげると、
かなり長生きして、癒して続けてくれますので、頑張って長生きさせてあげてくださいね。
(金魚の寿命は、一般的には10~15年と言われており、家庭での平均寿命は3~4年になります)
⇒金魚は混合しても大丈夫なの?種類や相性ってあるの?
⇒金魚を飼っている水槽を二つに分ける方法とは?仕切りの作り方を紹介